農作稼業 YOKOTA屋
「非常識な生姜を作る男」
横田 達範 / Tatsunori Yokota
1984年10月2日生まれ。
高知県高知市出身。
24歳の頃、農業に興味を持ち農業の世界に飛び込む。
各地の農家や農業法人で働く傍ら、2014年に昔祖父が米作りをしていた3アールの耕作放棄地を借り、独学で無農薬・無化学肥料の生姜栽培を始める。
誰かが考えた決まったやり方で農業をしても面白くない。自分で考え誰もやらないやり方で「行き先の見えない」農業がしたい。その方が人生おもしろい。
そんな思いで日々数々の失敗をしながら試行錯誤し、どこにもないYOKOTA屋だけの「非常識な生姜」を作り続けている。
栽培地 → 高知県高岡郡四万十町
栽培面積 → 25アール(2024年現在)
栽培する生姜 → 大生姜「土佐一」(2014年から自家採種)
はじめまして。農作稼業 YOKOTA屋の横田 達範(よこた たつのり)と申します。
このたびはYOKOTA屋のホームページにアクセスしていただきありがとうございます。
私は、生姜の生産量日本一である高知県四万十町で、農薬や化学肥料を一切使わないやり方で生姜を栽培しています。
通常の生姜栽培では、農薬や化学肥料を使用することは常識です。
生姜には多くの病害虫があり、農薬がなければ病気や虫を抑えることができません。
中には短期間で畑が全滅してしまうような厄介な病気も存在します。
そのため、栽培前から土壌消毒をし、栽培中も農薬散布はかかせません。それだけ生姜栽培にはリスクがあります。
また、たくさん肥料を使わなければ大きな生姜ができません。多くの収穫を得るためには化学肥料は不可欠です。
そんな生姜栽培の常識を知りながらも、私はその常識とはかけ離れたことをしています。
なぜか?
その理由は、単純にそのほうがおもしろいから。ただそれだけです。
農薬や化学肥料は確かに便利で効果的です。きちんと使用すれば綺麗で大きな生姜ができます。
農業はたくさんの収穫を得ることが目的です。農薬や化学肥料はその目的を叶えてくれます。
農業で生計を立てるためには普通のことであり当然のことです。綺麗事や理想だけでは農業は続けていけません。
それは私も痛いほど経験していますし、まったくその通りだと思っています。
そこまで農業の現実をわかっているにもかかわらず、私はその農業の常識に面白さを感じることができません。
すでに決まったやり方で結果が見えてしまうことに魅力を感じることができません。
「これまでのやり方が正解なのか?」「もしかしたら違う答えがあるんじゃないか?」と思ってしまいます。
一度きりの人生、どうせやるなら誰もやらないことをやりたいと思ってしまいます。
そのほうが面白いから。
そんな非常識なことを考える私に、周囲は「無理だ」「やめておけ」と言います。当然です。私もそう思います(笑)
でも、それでも私はやりたい。逆にそれ以外はやりたくないんです。
しかし、実際に無農薬・無化学肥料で生姜を栽培するとなかなかうまくいきません。
当然のように虫にやられ、病気も発生します。理想とは裏腹に、できた生姜は小さく収穫量も少ない。
数々の失敗に落ち込み嫌になることも多々あります。
でも、それでも面白いんです。やめられない。
うまくいかなかったら「次はこうしてみよう」「次こそうまくいくんじゃないか?」とあれこれ考える。
それがまた楽しいんです。ワクワクするんです。そして懲りずにまた生姜を作る。
要するに、私は無農薬・無化学肥料での生姜栽培が好きということです。シンプルにそれだけです。
それが理由で生姜を作り続けています。そしてこれからも作り続けていきます。
そんな私の願いは、非常識な私が作った「非常識な生姜」を一人でも多くの人に食べてもらいたいということです。
これまで私の生姜を食べてくれた人たちから、「すごく美味しかった」「香りが良かった」「辛味が印象的だった」「他の生姜は食べれない」と言っていただきました。
その言葉を聞いたとき本当に嬉しかったです。うまくいかないことだらけですが、その時は本当に生姜を作っていて良かったなと思いました。
そして、もっとたくさんの人にそう言ってもらいたいなという欲が出てきました。
ご存知のとおり、生姜を食べることはとても体に良いですし、私が作る生姜には農薬が使われていないので余計な心配をせず安心して食べていただけます。
化学肥料を使わず少しの有機肥料と土の力で育てているので、普通の生姜より小ぶりですが、その分、身が締まり、香りや辛味が際立ちます。
水やりもせず甘やかさず厳しく育てることにより、野性味のある一味違う生姜になっています。
それをぜひ皆さんに味わっていただきたいです。
農業の世界はどうしても暗いニュースが目立ちがちですが、そんな中でも私のように嬉々として農業に取り組んでいる人間がいるということも知っていただけたらありがたいです。
農業には答えがなく、同じ作物でも作る人によってやり方は様々です。
栽培方法、使用する資材、栽培する場所や時期、畑の状態、作る人の性格など、人それぞれ。正解がない。
すべての農作物は、ひとりひとりの生産者その人だけのオリジナルです。同じものはこの世に存在しません。
すべてがオリジナル。私はこの考え方が好きです。
だから農業はおもしろい。
皆さん、YOKOTA屋だけのオリジナルな生姜、「非常識な生姜」を一度食べてみませんか?
農作稼業 YOKOTA屋
横田 達範