生姜の原産地は熱帯アジアと言われています。
しかし、野生の生姜が確認されたことがないため、原産地の詳細は不明だそうです。
生姜の歴史は古く、中国やインドでは紀元前から利用されていたようで、ヨーロッパにも2000年前には伝わっていたようです。
日本には2~3世紀頃に中国から伝わり、奈良時代には栽培も行われていたようです。
昔はどの国でも薬として利用されていました。
生姜の種類は大きさによって3つに分類されます。
【大生姜】
国内生産量の90%以上がこの大生姜。日頃よく目にする生姜はだいたいこれ。YOKOTA屋でも大生姜を栽培しています。
【中生姜】
大生姜より小ぶりで辛味が強いのが特徴。
【小生姜】
「葉生姜」とも言われ、中生姜よりさらに小さく辛味も強い。焼き魚に付いてくる「はじかみ」などに利用される。
生姜は収穫時期や出荷時期により呼び方が変わります。
【根生姜】
10月~11月に収穫された生姜を、適正な温度と湿度で2ヶ月以上貯蔵し熟成させたもの。
熟成させることにより表面が飴色に変わり、繊維質も形成され辛味と香りが強くなります。
長期保存が可能になり、年間を通して出荷されます。
「囲い生姜」や「ひね生姜」とも呼ばれています。
スーパーなどで年中見かける生姜はこの根生姜。
【新生姜】
収穫したての生姜のこと。
茎の根元がピンク色で生姜の表面が白いもの。みずみずしく繊維が少なく辛味も少ないのが特徴。
スーパーなどで春~夏によく目にする新生姜は、ハウス栽培で生食用として専用に栽培されたものです。
露地栽培では、少し早い時期(9月~10月)に収穫し、収穫後貯蔵せずにすぐ出荷するものを新生姜と言います。
ハウス栽培と露地栽培の二種類の新生姜があるということです。
平成29年の生姜の生産量日本一は高知県(20,600トン)です。2位は熊本県(5,640トン)、3位は千葉県(3,690トン)。
高知県は長年生姜の生産量日本一になっています。温暖な気候と日射量、降雨量に恵まれ生姜栽培に適しています。
県内各地に生姜の産地がありますが、YOKOTA屋のある四万十町は高知県の中でも生姜の生産量が一位の町です。四万十町は全国一の生姜の産地ということになります。
YOKOTA屋は、そんな全国一の生姜の産地でひっそりと人知れず非常識な生姜を作っています。
生姜の健康効果は誰もが知るところです。
日々の健康維持や、各種病気の予防、ダイエット効果など様々な効果が期待できる野菜です。
その生姜の成分で重要なものが、【ジンゲロール】、【ショウガオール】、【ジンゲロン】です。
【ジンゲロール】
生の生姜に多く含まれ、殺菌効果、発汗作用、免疫力を高める、脂肪の吸収を抑える、抗酸化作用、胃腸の働きを整える、アレルギー症状を抑えるなどの効果があります。
空気に触れると成分が酸化してしまうので、食べる直前にすりおろしたりすると効果的です。
体の深部の熱を手先、足先に運び、体の末端部分を温めます(逆に深部は冷える)。
【ショウガオール】
生姜を加熱・乾燥させるとジンゲロールがショウガオールに変化します。
殺菌効果や抗酸化作用、血流を高め体の深部の熱を作り出します(体の芯から温める)。
【ジンゲロン】
生姜を加熱・乾燥させるとジンゲロールがジンゲロンに変化します。
血行促進、代謝促進、発汗作用などの効果があります。
生の生姜は、夏場や風邪をひいた時に食べることで、ジンゲロールの働きにより体の深部の熱を外に出すことができます。
加熱した生姜は、冬場や冷え性の方が食べることで、ショウガオールやジンゲロンの働きにより血流が良くなり体の深部を温めてくれます。
体を温めようとして生の生姜をたくさん食べても、手足は温かく感じますが、実際は体の深部の熱は奪われてしまい結果的に体を冷やしてしまいます。
また、生の生姜は殺菌効果が高いので刺し身など生で食べる食材と一緒に食べることで食中毒の予防にもなります。
このように加熱するかしないかで生姜の効果が変わってきます。目的に応じた食べ方を気をつけることでより生姜の効果を得ることができます。
生姜の健康効果を期待して生姜をたくさん食べたいと思っている人が多いと思います。
生姜は一日にどれくらい食べていいものなのでしょうか?
よく言われているのが、「生姜は1日10グラム」です。
10グラムとは、スライスした状態で6~7枚くらい、すりおろした状態で大さじ1杯弱、乾燥粉末だと重さが10分の1になるので1グラム程度(約小さじ半分)です。
しかし、これはあくまで目安です。
生姜には健康効果がたくさんありますが、食べ過ぎると胃腸の弱い人は腹痛や下痢などお腹を壊すことがあったり、妊婦さんや小さいお子さんも食べ過ぎると悪影響があったりするなど副作用が出る場合があります。
私も生姜は好きですが、つい食べすぎてよくお腹を壊してしまいます。
その一方、私の周りの生姜好きな人は、毎日大量に生姜を食べたり、生のまま丸かじりする人もいます。その人達は特に副作用が出ることもないようです。
このように生姜の摂取量には個人差がありますので、日々少しずつ食べていき、ご自身にあった適量を見極めることが大切です。
料理をする時、生姜の皮を剥くか剝かないかで悩むことはないでしょうか?
YOKOTA屋では、生姜を皮ごと食べていただきたいと思っています。
生姜の辛味や香りの成分は皮の下に多く含まれています。
汚れや傷が気になるところは取り除き、それ以外のところは皮ごと利用するのがおすすめです。
皮ごと食べることで生姜の成分をより効果的に摂取することができます。
皮を剥いて使う場合でも、できるだけ薄く剥くことをおすすめします。
生姜の最適な保存環境は、温度14℃前後、湿度約90%がベストです。
生姜は温度が18℃を超えると芽が動き出し、10℃を下回ると寒さで傷んでしまいます。
生姜の保存で重要なのは温度と湿度です。
生姜は約90%が水分なので乾燥に弱く、また熱帯地方原産のため寒さにも弱いです。
生姜農家は専用の保冷庫や、山に掘った横穴等に生姜を保存しています。
YOKOTA屋も山に掘った横穴「壕(ごう)」で保存しています。
この壕は年間通して一定の温度と湿度で保たれているため、生姜の保存に適しています。
しかし、一般のご家庭でこの環境を用意するのは難しいので、以下に記載するいくつかの保存方法の中から好みのものを試してみてください。
生姜の保存は、生姜の状態や保存場所の環境に大きく左右されます。
なので、どの方法が一番良いとは言い切れません。
ここで紹介する方法も完璧ではないのでご了承ください。
色々試してご自身で最適な保存方法を見つけていただきたいと思います。
また、どの保存方法でも時々様子を見て生姜の状態をチェックしてあげるのが大事です。
●新聞紙で包みビニール袋に入れ、冷暗所で常温保存。
一番簡単でお手軽です。
生姜が乾燥してしまうのが気になる場合は、新聞紙を少し湿らせておくのも効果的です。
●湿らせた新聞紙で包み、発泡スチロールに入れ、ガムテープ等で密封して冷暗所で常温保存。
特に土付きの生姜を長期間保存する場合におすすめです。
●夏場や高温時は、冷蔵庫の野菜室で直接冷気の当たらないところに入れる。
冷蔵庫に入れる場合は、寒さ対策で厚めの新聞紙等で包んでおくと良いと思います。
ただし、長期間入れておくと寒さで痛む場合があるので注意が必要です。
※基本的に冷蔵庫の中は生姜には寒すぎる環境なので夏場限定です。
●冬場はできるだけ室内の温かい場所で保存する。
できるだけ10℃以下にならないような場所を選びましょう。
●少量の場合、水を張ったタッパ等に直接生姜を入れて冷蔵庫で保存。
1~2日おきに水を変えることで約1ヶ月は保存可能になります。
ただし、水の中に入れておくので生姜の成分が流れ出てしまう可能性も考えられます。
●生姜は冷凍保存も可能。
ラップで包み冷凍し、使う時に凍ったまますりおろして大丈夫です。
調理方法にあわせてカットしたり、すりおろしてから小分けに冷凍すると使う時に便利です。
冷凍保存の場合は1~2ヶ月程度が保存の目安です。